2016.06.27

泡盛とチョコ?人気店「泡盛倉庫」に学ぶ、沖縄が世界に誇れる名酒=泡盛のおいしい飲み方・楽しみ方


ファミマガ読者の皆さま、こんにちは。そしてはじめまして。 フォトライターのSachikoと申します。

沖縄移住をして4年目に入ったところですが、まだ観光客気分が抜けていません。 都会と自然の両方を楽しむことが出来る沖縄が大好きです。これからも沖縄の魅力をどんどん発信していきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ファミマガ初の記事は泡盛について。 美味しく味わうためには、実はいくつかのポイントがあることをご存知でしょうか?今回はそのための方法を皆さまにお伝えできれば…と思います。

一番好きなお酒は何ですか? 20~50代の男女に聞いた某調査によると、人気の一位はビール、続いてワイン、日本酒、酎ハイという結果になったそうです。沖縄が誇るお酒=泡盛は残念ながらあまり飲まれておらず、県内でも20~30代の若者は「ほとんど飲まない」という結果に。
若者の泡盛離れは年々進んでいるようです。

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でも、ちょっと待ってください。
沖縄県が誇る泡盛、その美味しさを知らないままでいることはとてももったいないことだと思いませんか?泡盛には他のお酒にはない魅力があるのです。

 

熟成させることで味に深みが増していく泡盛

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例えば“長く寝かせて熟成させればさせるほど美味しくなる”という点です。
樽の力を借りて熟成させるウイスキーやブランデーは樽から瓶詰めした段階で熟成が止まってしまいますが、泡盛は瓶詰した後でも熟成が進み、美味しい古酒(年月をかけて熟成させた泡盛)に育ちます。瓶、甕(カメ)、ステンレスタンクなど容器を選ばず、10年、50年、100年の古酒を家庭で育てることが出来るのです。最も簡単な方法は、未開封の泡盛を瓶のまま冷暗所に保存すること。これだけで数十年後には何倍も美味しくなっているのですから、ぜひお試しあれ。

就職や起業、結婚、出産など人生の節目や記念日に古酒造りを始めれば、何十年後かにタイムカプセルのような楽しみが味わえるでしょう。

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約600年の歴史を持つ泡盛は日本最古の蒸留酒。江戸時代には琉球から薩摩を通して幕府へ献上していたという記録も残っており、当時は“琉球焼酎”という名で日本酒の倍の値段で取引されていたのだとか!

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参照:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:琉球那霸城.jpg

 

また琉球王朝時代には、外国からの来訪者をもてなすための国酒でもありました。あのペリーも首里城を訪れた際に飲み「まるでブランデーのようだ」と語ったという記録もしっかりと残っています。

そう、泡盛は世界に誇れる名酒なのです。

 

美味しい泡盛は、お米の風味や香り感じられるストレートで

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飲みやすくするために水で割って飲む人も多いと思いますが、那覇市久米にある会員制の泡盛バー『泡盛倉庫』の店主 比嘉 康二(ひが こうじ)さんお薦めの飲み方はストレート。舐めるようにして飲むことで、お米の風味や香りを味わうことができるのです。

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あなたも質の良い泡盛を選び、酒器にもこだわって、ストレートで味わってみませんか?

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「最初からストレートはちょっと…」という方にお薦めしたいのは、ブルーボトルが涼しげな『美ら蛍(ちゅらぼたる)』の水割り。

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爽やかで柔らかな味わいの美ら蛍は、水で割ることで香りがさらに引き立ちます。炭酸割りにするとゴクゴク飲めるので、暑い夏にもぴったり。

 

泡盛をより惹き立てる意外なおつまみとは?

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泡盛をより美味しく味わうためには、アテも大切ですよね。泡盛とフード、それぞれの美味しさを引き立て合う、ちょっと意外なフードペアリングを比嘉さんに選んでいただきました。

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マンゴー酵母仕込みの3年古酒と10年古酒、四日麹製法の一般酒をブレンドした『忠孝(ちゅうこう)GOLD PREMIUM』(豊見城市:忠孝酒造)には、キューバ産のカカオ豆と沖縄の島ざらめを使った『TIMELESS CHOCOLATE(タイムレスチョコレート)』のチョコレートを。

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「泡盛にチョコレート!?合うわけがないでしょ」と思った方はぜひお試しください。
華やかな香りが特徴の忠孝GOLD PREMIUMと、芳醇なカカオの香りのするチョコレートは意外ですが相性はぴったり。

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そしてもうひとつ。大宜味村にある田嘉里酒造所 43度の古酒『KUINA BLACK』には『謝花(じゃはな)きっぱん』の冬瓜漬を。

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シャリッとした歯ごたえの後にジューシーな甘さが口いっぱいに広がる冬瓜漬と、力強くて濃厚な味わいのKUINA BLACKはベストな組み合わせ。

「泡盛には沖縄料理でしょう?ゴーヤーチャンプルーに豆腐よう、島らっきょうの天ぷらにラフテーに…」と思っている方に試していただきたい新しいマリアージュです。

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そして最後にご紹介したいのは、那覇市首里にある瑞泉酒造より泡盛の紅茶リキュール『宵(よい)の紅茶』。沖縄県産のアールグレイの茶葉を使用したこちらは、華やかで優雅な味わい。ロックやカクテルベースにするのはもちろん、泡盛やミルクで割っても。アイスクリームにかけても間違いなく美味しそうですね。

あなたもお気に入りの泡盛を見つけてみませんか?

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泡盛倉庫は2万円の入会費を払えば永久会員になれ、会員は原価で泡盛を楽しむことができます。
ラインナップはなんと700種類! 一般には手に入れることの出来ない貴重な泡盛も数多く揃っています。「おちょこ1杯から試すことができるので、いろんな泡盛に出合ってください」と比嘉さんは言います。

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蔵元の人たちの思いや泡盛のストーリーを多くの方たちに伝えたいと話す比嘉さん。
「ビールもワインもウイスキーも美味しいのですが、泡盛にしかない魅力を沖縄の人たちにもっと知ってもらいたいし、今後泡盛がジャパニーズブランドのひとつとして世界へ羽ばたくことも夢ではないと思います」と語ってくれました。ユネスコの世界無形文化遺産に登録しようという動きもあったりと、これからさらに泡盛が注目されていくことでしょう。

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せっかく沖縄に住んでいるのですから、“飲まず嫌い”にはせず、本当に美味しい泡盛を相性ぴったりのアテと共に味わってみませんか?
奥深い魅力と面白さが泡盛にはあるのです。あなたもぜひ体験してみてください。


取材協力
泡盛倉庫
那覇市久米2丁目8−14
[電話]098-869-0808
[営業時間]月~土曜日 18 :00 ~23 :00(L.O.)

 

フォトライター Sachiko
blog: http://www.oishii-okinawa.com/