2016.11.24

”音”で琉球ゴールデンキングスを盛り上げる!会場でしかわからないあの臨場感を作り出す仕掛け人たち Vol.1


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ここ数年、沖縄スポーツ界でいちばんの盛り上がりをみせている「琉球ゴールデンキングス(以下キングス)」。沖縄市を拠点としたプロバスケットボールチーム。2007年からプロリーグに参加し、今では毎試合スタジアムが満員になるほど圧倒的な人気を誇っています。

バスケットボールやスポーツ観戦に興味のなさそうな友人たちでさえ、夢中になるほど。沖縄のバスケットボールゲームがここまで熱く盛り上がってるのはなぜなんだろう。バスケに関して知っている知識といえば漫画『SLAMDUNK(スラムダンク)』くらいでしたが、初めてキングスの試合を見に行ったのは今年のお正月。

いざ試合が始まると「ブースター」と呼ばれる熱狂的ファンと一緒に、我を忘れて声援を送っていました。選手の熱気と、ブースターの熱気、チアガールや影で支えるスタッフたち。臨場感あふれる試合に合わせ、テンポよく流される音楽やレーザー照明。それらが併さってできる「躍動的な一体感」に、すっかり圧倒され、感動していたのでした。ただの「スポーツ観戦とは何かが違う」。そう感じさせる仕掛人の一人、PA(音響)担当の小野裕介(おのゆうすけ)さんにキングスの魅力について伺いました。


”音”を使って試合をわかりやすく楽しく盛り上げる

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ー小野さんが担当されているキングスの仕事について教えてください。

小野:僕は試合中のPAとDJを担当しています。音響のセッティングやコントロール、試合に合わせて会場で音楽を流すのが仕事です。2007年からPAとして仕事を始め、同じ年にBjリーグ(現・Bリーグ)にキングスが発足しました。当時所属していた「有限会社ステージングオキナワ」がキングスから依頼を受けて、音響とDJのスタッフとして自分が担当したのが始まりです。2013年に独立した後もそのまま担当させていただいています。

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ウォーミングアップする選手たちの前で静かに試合へのスタンバイ

ーなるほど。キングスとともに歩んだ9年間だったのですね。オフェンス(攻撃)時に流れるリズミカルな三線の音やディフェンス(守備)時に流れる力強いサウンドがとても印象的ですよね。

小野:試合の進行に合わせて、ここぞと言うときにアップテンポの曲に変えたり状況に応じて選曲しています。音を使って「試合をわかりやすく楽しめる」ようにするのが僕の役割です。

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光と音を駆使したエンターテインメント性のある試合直前のチームメンバー紹介

ー試合中、特に気をつけている部分というのはありますか?また選曲について心がけている点をお聞かせください。

小野:キングスのホームアリーナの沖縄市体育館に、360度聞こえるスピーカーを毎回設置しているので、どの場所で観戦しても同じ音で楽しむことができるように心がけています。音量は大きすぎず小さすぎず。それでいて非日常を感じられるようなボリュームを今までの経験から掴んで調整しています。

選曲に関しては、子どもから老人まで会場に来たみんなが自然に馴染んでいけるような曲を選んでいます。その日の試合でしか聞けないようなセットにしたり、その時のチームの状況やスコア、残り時間などの局面に合わせて曲を織り交ぜたり。会場の中でお客さんが安心して自然に楽しめるような音の雰囲気作りを考えています。


”桁外れ”なブースターたちと音が一つになり試合の流れを作り出す

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ーお客さんには見えない部分でずいぶん細かい配慮をされているんですね。そんな中で、仕事を通して手応えを感じる時はどんな時ですか?

小野:それはもう、お客さんが盛り上がっているときですね。音に合わせて会場の雰囲気や熱気がガラリと変わるときはとても手応えがあります。今年の春に有明で開催された日本一を決める試合で感じたのは「キングスのブースターの勢い」でした。

アウェイの試合に同行はしないので他チームの様子はわからないのですが、決勝戦では明らかにブースターの勢いは違っていました。一言でいうと「桁外れ」。試合中、ブースターの声援と流れる音が併さってゲームが盛り上がっていくのは、本当に貴重な経験です。

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ー先程、2013年からフリーランスでPAをされているとおっしゃっていましたが、他にはどんなイベントで活動されているんでしょうか?

小野:沖縄県内をメインに地域のエイサー祭りなどの小さなイベントから企業の社員旅行のパーティー、HULAやベリーダンスのショー、野外フェス、クラブイベントなど様々な音響を担当しています。

ーPAという仕事を目指す人たちに利点やリスクなどフリーランスとして働くコツを少し教えていただけますか?

小野:フリーランスで働く利点は視野が広がること、そして自由に動けるということ。ただ、人とのつながりは一番大切だと思います。自由に動けるというのは今までお世話になった会社での関係性や実績があるからこそ。いきなりフリーランスでいけるかというとなかなか難しいと感じます。やった分だけ自分に還ってくるのもフリーの醍醐味。充実感が得られます。

反面、手を抜いたり、待っているだけだと上手くいかない。これは他の職業にも当てはまるかもしれませんが、自分は音楽が好きでこの仕事に就いているのに、単なる「仕事」と考えていくとだんだん楽しめなくなってしまう。そうならないために「その仕事をいかに自分が楽しむか」を意識しています。そのためには他のイベントなどに足を運んで演出や音響の仕方など、新たな刺激を受ける「インプット」も心がけています。

UAからライブ時のパートナーでもある小野さんへのメッセージ

ここで小野裕介さんに縁のあるミュージシャンUAから感じる「PA小野裕介」についてコメントが寄せられているので、ご紹介。

IMG_2648_1小野さんがPAを担当した北中城でのUAライブ風景/2016年7月

沖縄でのさまざまなシーンで、私UAのライブのPAを務めてもらっています。都会に居れば選りすぐりの機材があったりもしますが、裕介くんの強みというのは、やはり、五感を超えた、第六感、また第七感的な、波動量なのです。

彼を想うと紅いドラゴンの眼を連想するのですが、そんな、厳しくも優しい、愛情の深さが、場を喜ばせる要因そのものなのではないでしょうか。

-UA-

琉球ゴールデンキングスを支えるのは全てのスタッフが持っている「キングス愛」

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ーゲームを発足当時からサポートする立場としてキングスに対する思いを聞かせてください。

小野:キングスの「何がスゴイ」って会場の一体感です。だからシーズン中全ての試合に感情が入ってしまう。チームが勝てば、次の日いつもより人に対して優しくなれたり、負けるとバラシ(試合翌日の撤収作業)に力が入らなくなったり(笑) これもイベントの醍醐味ですね。

それは僕らPAに限らず照明やチケット販売、飲食ブースの人たちなど、みんなきっとそうだと思います。プレイヤーを支える全てのスタッフが「キングス愛」を胸に持ってます。リーグ発足当時の思うような結果が出せない頃も知ってますから、昨シーズンの優勝が決まったときには色々なことが走馬灯のようによみがえって感情がグワーっと込み上げてきました。

ーキングス愛、いいですね。そんな愛と共に最後にファミマガの読者へのメッセージをお願いいたします。

小野:キングスの試合は、ゲームはもちろんのこと、音、光、食と様々なコンテンツで楽しめるようになっています。僕たちは裏方として、訪れる皆さんに「安心して」「自由に」そして「心地よく」楽しんでもらえる環境作りを徹底しています。だから思いっきり楽しんでください。そして僕らとともに「キングス愛」を育んで、沖縄のバスケットボールをもっともっと盛り上げていきましょう!!

取材を終えて

人は華やかな世界に魅了される。スポットライトのあたる華やかな舞台の裏には、支える人たちがたくさんいる。それを理解していても肌で感じる機会は少ない。

彼らの働きがあるからこそステージに光が降り注ぐ。影のなかで誇りと希望を持って汗を光らせて働くスタッフたちのモチベーションは、間違いなく「琉球ゴールデンキングス」への愛。

「プレイヤー」「観客」「スポンサー」「スタッフ」の誰もが安心して満喫出来る「愛のある輪」こそ琉球ゴールデンキングスの魅力。会場でしか味わうことのできない経験なのでぜひ、足を運んでみてください。


【小野裕介 Profile】
1999年-2000年のミレニアムイベントをきっかけに沖縄へ移住。DJ、イベントのオーガナイザーとして経験を積み、CINEMA dub MONKSのスペインツアー同行。その後STAGEING OKINAWAへ就職。2013年PAとして独立しフリーランスで県内各種イベントの音響を担当している。

琉球ゴールデンキングス
沖縄県沖縄市を本拠地として活躍するプロバスケットボールチーム。2007年~2016年まで、Bjリーグに参加し全チーム最多となる4回目の優勝を果たし、2016年よりB.LEAGUEへ移行。

UA
歌手。UAとはスワヒリ語で「花」という意味を持つ言葉。大阪府出身。1995年ビクタースピードスターレーベルよりデビュー。2016年5月ニューアルバム「JaPo」発売。

ライター:monobox株式会社(河野哲昌・こずえ)
HP:http://www.monobox.jp/

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