
11月1日は「泡盛の日」。
那覇の老舗居酒屋「小桜」を舞台に、琉球歴史研究家の賀数仁然さん、小桜オーナーの中山亮さん、そして沖縄ファミリーマートの岸本さん、新垣さんの4名にお話をうかがいました。
泡盛の歴史から楽しみ方、そして小桜発祥の炭酸割り「Aボール」が商品化されるまでの舞台裏まで、たっぷり語っていただきました!

目次
舞台は那覇の老舗居酒屋「小桜」
今回の舞台は、那覇の老舗居酒屋「小桜(こざくら)」さん。なんと創業71周年を迎えるお店です。

木造2階建てに赤瓦、そしてすりガラスの窓。
戦後復興のなかで建ち並んだ壺屋・牧志界隈の面影を、今に残すとても風情のある建物です。

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
木造の2階建てに赤瓦というのは、割と戦後にはあったんですよ。壺屋と近いので赤瓦の供給があって、戦後こういう家ができてくるんですね。この壺屋・牧志界隈は戦後復興で一気にできたところなので、こういう家が多かったんですけど、今はほとんどないんですよね~。
お店の歴史を教えてください!

- 老舗居酒屋「小桜」オーナー 中山亮さん
お店が始まったのは1955年で、僕の祖父が始めました。元々は沖縄料理ではなく、小料理屋(和食屋)として始まっていて、当時出していたのは、泡盛ではなくウイスキーでした。お寿司や鍋、天ぷらといった和食ですね。そこからだんだん時代が移り変わるなかで、2代目である僕の父親の代から少しずつ沖縄料理に寄せていって、今はしっかり泡盛を出すお店になっています。

- 沖縄ファミリーマート 岸本さん
ちなみにお客さんの割合はどうでしょう?どのような方がよくいらっしゃいますか?

- 老舗居酒屋「小桜」オーナー 中山亮さん
地元の方と、観光客が半々といったところです。
県外から来られるリピーターさんもいて、毎年、毎月のように来てくださる方もいらっしゃいます。

- 沖縄ファミリーマート 岸本さん
「小桜」さんのお店も、この雰囲気ですから、僕らでも本当に懐かしいというか。またリピートしたくなる気持ち、分かりますよね。
泡盛は、いつ・どうやって生まれたの?
泡盛の歴史について教えてください!

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
時は1470年代!朝鮮王朝の人が漂流して、琉球に救助されるんですね。その時の記録に、「琉球では酒を作っている」という内容が出てくるんです。
さらに、那覇港の宝物を隠してあるところに酒甕(さきがめ)が保存されていて、そこには「1年物」「2年物」「3年物」というように個別に書いて、そういうふうに管理している、と記録されているんですね。おそらくこれは「仕次ぎ(しつぎ)」という手法で、泡盛を飲むときに「古酒(クース)」にするためにやっていたものなんです。

- 沖縄ファミリーマート 岸本さん
ということは、当時すでに琉球で蒸留酒がつくられていた?

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
そうなんです。おそらく朝鮮ではすでに蒸留酒を造っていたんでしょう。ということは、すでに琉球でもそういう蒸留酒——「泡盛」というものを、当時から造っていただろう…ということが分かるんですね。

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
ただし!ズバリ「泡盛である」とは書いていないんですよ。朝鮮の人が見たことを、盛ることなく冷静に書いていますから、おそらくこれが泡盛の最初になるだろうと。言ってみれば、仕次ぎを始めているということは、もうちょっと前から造り始めているはずなんですけど、記録としてはこれが一番古い。なので、およそ600年の伝統があるお酒ですね。

- 沖縄ファミリーマート 岸本さん
へ~、なるほど!ちなみに、当時からタイ米を使っていたんですか?

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
実際のところ、当時からタイ米が使われていたのかははっきり分からないんですよね。一説には、琉球産の米、あるいは麦を混ぜたような雑穀類も使っていただろうと言われています。なので、純粋に今のような形ではなかったと思います。そこから変化していって、今に至っているんですね。

泡盛の魅力を、あらためて教えてください!

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
泡盛って、元々は「お客さんをもてなすため」によく使われたお酒なんですよ。だから、割と「飲め飲め!」という感じではないんです。
実は首里城などでは、米自体が貴重なんですよね。そこからお酒を造るわけですから、非常に貴重なものを少しずつ出していた。それが古酒(クース)にして、という形です。
それと同時に琉球料理、そして芸能があります。今、琉球芸能って結構注目されていますが、組踊などをやるにも一流の音楽家が必要なんです。さらに衣装としての紅型(びんがた)、琉球料理を盛るための琉球漆器。そうした、寸分のミスも許されないもてなしの中で出されるのが泡盛なんですね。
当然、泡盛をいただくための酒器も非常に多様に出てきます。抱瓶(だちびん)、嘉瓶(ゆしびん)、チブグヮー※などですね。

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
だからもう、トータルでエンターテインメントとして、「もてなすため」に使われるお酒なんです。単純に酔っぱらえばいいというものではなくて、薄く酔いながら——沖縄の言葉で「サーフーフー」といいますけど、その状態のまま、一流の芸能や音楽を聴いて楽しむための、ちょっとした演出装置。そういう位置づけなんですよ。

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
単純にお酒で酔っぱらう楽しみというよりは、もうちょっと多角的に楽しむための一つの道具(ツール)ですね。どちらかというと、ガバガバっと飲むというよりは、沖縄の歴史や食べ物を語り合って、食べながらちびちび飲む。そういうほうが気分よく楽しめますよね。

- 老舗居酒屋「小桜」オーナー 中山亮さん
うちのお店も、そういう方が多いですね。ゆっくりゆっくりお話ししながら、隣の人と飲みながら。豆腐ようなどをつまみながらちょっと引っかけたり。古酒(クース)なんかはピッタリです。

1.抱瓶(だちびん)
概要: 体に沿う三日月形をした、沖縄独特の携帯用酒器。両側にある紐通しに紐を通し、肩から吊るして腰に沿わせて持ち運びます。
用途: かつては、泡盛を入れて外出時に携帯するために使われました。現在では、伝統工芸品として鑑賞したり、花器やインテリアとして楽しんだりすることもあります。
2.嘉瓶(ゆしびん)
概要: ひょうたんのように中央がくびれた形が特徴の、沖縄の伝統的な酒器。主に壺屋焼などの陶器で作られています。
用途: かつては、結婚などのお祝い事や祭祀の際に、泡盛を入れて贈るために使われました。贈られた泡盛を別の容器に移した後、嘉瓶は持ち主に返す風習もありました。
3.チブグヮー(ちぶぐゎー)
概要: 沖縄の方言で「小さな容器」を意味する、指ぬきよりわずかに大きい小さな酒杯。世界最小のお猪口ともいわれています。
用途: 貴重な泡盛の古酒(クース)を少しずつ味わうために使われます。小さな器で少量ずつ口に含み、古酒の豊かな香りや風味を楽しみます。
若い世代に、泡盛をどう届ける?
若年層の「泡盛離れ」も課題に…

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
実は泡盛って、甘いものと合うんですよ。琉球歴史研究家の友達がいて、その方から教えてもらったんですけど、泡盛の少しクセのある味わいも、例えばチョコレートなどとも相性がよい。これまであまり試されてこなかった組み合わせかもしれませんが。しょっぱいものだけじゃなくて、甘いものを食べながら泡盛をいただいて、いい音楽を聴く。必ずしも伝統的なものでなくてもいいと思うんですけど、好きな音楽を聴いたりすると、結構いい気分で味わえる。
そういうふうに開発されてきたお酒なんだな、というのをとても感じるので、ぜひ皆さんも、これで泡盛を味わってみてほしいですね。

- 沖縄ファミリーマート 岸本さん
確かに、甘いものと一緒にというイメージはあまりなかったですね。どうしてもしょっぱいものと合わせるイメージがありますけど、ぜひ若い方も、いろんな飲み方を試されてみてはいかがかなと思います。
沖縄ファミマの挑戦「泡盛コーヒー」
沖縄ファミリーマートの取り組みについて

- 沖縄ファミリーマート 新垣さん
私たち沖縄ファミリーマートは、コンビニのなかでは結構いろんなものを取り扱っているんですが、そのなかで、例えば「泡盛コーヒー」のように、新たな飲み方の提案をさせてもらっているんですね。

- 沖縄ファミリーマート 新垣さん
泡盛コーヒーは2010年に発売されて、開発の背景には、先ほどの「泡盛離れ」——若い方に対して、より多くの人に飲んでいただきたいという思いがありました。そこで12度という飲みやすい度数にして、リキュールにパインやシークワーサーなどを入れてサングリア風に仕立てるなど、女性の方にも飲みやすくというコンセプトで開発したという経緯です。
リニューアルは2年に1回ほど行っていて、コーヒーの風味や質を2年に1回改善するような形でやっています。いずれは「沖縄のお土産といえば、泡盛コーヒー」という定番にしたいなというところで、今どんどん育成しているところですね。

今や沖縄ファミリーマートのロングセラー商品に

- 沖縄ファミリーマート 新垣さん
コンビニって回転が速いんですけど、定番で残るというのは本当にすごいことです。お土産で買ってくださる方も増えていますね。沖縄でしか買えないので、県外から送ってほしいというお声も多いんです。

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
コーヒーに泡盛は、僕も意外に合うなと思いました!若い人もいけるんじゃないかな。

実は「泡盛コーヒー」を購入すると…

- 沖縄ファミリーマート 岸本さん
実は「泡盛コーヒー」を購入すると、1本につき1円が首里城復興支援に寄付される仕組みになっています。皆様にもぜひ飲んでいただいて、首里城にも貢献できる。それも一つのポイントかなと思います!
小桜発祥「Aボール」、ついに商品化!
小桜発祥「Aボール」とは?

- 沖縄ファミリーマート 岸本さん
実はこのたび、小桜発祥の「Aボール」がついに商品化され、沖縄ファミリーマートで先行発売されることになりました!
では、そもそも「Aボール」とはどんな飲み物か、中山さんに解説をお願いしたいと思います!

- 老舗居酒屋「小桜」オーナー 中山亮さん
7、8年前(2018年頃)ぐらいから、「Aボール」というメニューを始めたんですね。というのも、泡盛って僕らの年代の友達や周りの仲間も、ちょっと手に取らなくなってきたような感じがしていたんです。
でも僕はお店で泡盛を売っているわけで、どうやって若い人たちに飲んでもらえるかなと考えたときに、炭酸で割って飲んでみたら、「これならいけるんじゃないか」と思って。泡盛(Awamori)の「A」から、勝手に「Aボール」と名付けました。

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
なるほど。お酒は泡盛であれば、炭酸で割るとAボール、ということですね。銘柄はお客様がリクエストするのですか?

- 老舗居酒屋「小桜」オーナー 中山亮さん
そうですね。銘柄は固定されていません。うちのお店では一般酒が42種類、いろんなお酒も含めると60種類置いているんですけど、それを炭酸で割るとAボール。お客さんが銘柄を指名して「この銘柄でAボールで」と注文してくださいます。
いろんな銘柄の泡盛を飲んで、自分のお気に入りを見つけて、それをまた酒屋さんで買ってもらって、またこっちに来て違う種類を。まずは泡盛を飲んでいただきたいですね。そこからいろんな飲み方があると思うので。
最初から若い人が30度・40度のお酒を見て、苦手意識を持つのはもったいない。好きにならなくていいから、嫌いにはならないで。 まずは「飲んで楽しい」「おしゃれだな」というところからでいいのかなと思っています。

商品化までの経緯を教えてください!

- 沖縄ファミリーマート 新垣さん
開発の主体は、リウボウグループのリウボウ商事さんが開発して、試飲なども一緒にやらせていただきました。やはり泡盛の日というところがあって、それに合わせて泡盛を盛り上げたいという思いから開発した商品になっています。
価格は268円。今回、いろいろな泡盛があるなかで、ヘリオス酒造の「轟(とどろき)」と一緒に、そのキャッチフレーズのとおりにつくらせていただきました。

- 沖縄ファミリーマート 新垣さん
店でも試飲しましたし、ヘリオスさんの方でも開発を一緒にやっていただいたので、まさに共同で、みんなで協力してできた商品ですね。轟自体が割と軽くいける感じで、癖がない。このシュワッとした感じと合うだろうなと思っています。

- 沖縄ファミリーマート 岸本さん
中山さん、「Aボール」商品化について、率直なご感想は?

- 老舗居酒屋「小桜」オーナー 中山亮さん
いやもう、嬉しいです。これをきっかけに、泡盛を飲んだことがない人、見たことがない人が泡盛というものを知って、お店に来てくれたり。いろんな泡盛を知るきっかけになったらとてもいいなと。沖縄にたくさんの人が来るようになればいいなと思っています。

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
ちなみに、販売はどのように展開されるんですか?

- 沖縄ファミリーマート 新垣さん
沖縄ファミリーマートの酒取扱い店舗、約327店舗くらいですかね、そのあたりで販売する予定です。沖縄ファミリーマートとリウボウグループでの展開になりますので、いずれにしても沖縄に来ないと飲めないものです。

- 琉球歴史研究家 賀数仁然さん
お土産に持って帰るというのも一つだと思うんですけど、この島で飲むのが一番合うんじゃないかな。ぜひ、沖縄県外の方も沖縄で飲んでいってください。ビーチで飲んだりしてもいいですよね。

- 沖縄ファミリーマート 新垣さん
泡盛って、あまり缶で販売しているイメージはないですよね。でも沖縄ファミリーマートに来ていただけたら、観光客の方が夜に居酒屋で一次会が盛り上がって、ホテルに帰る前にもう一杯、という感じで気軽に飲めます。そういう方にも合うと思います!

Aボール(小桜発祥)

泡盛を炭酸で割った、新しいスタイルの一杯。小桜で生まれた飲み方をそのままに、ヘリオス酒造「轟」で仕上げました。
<商品情報>
販売価格:268円(税込)
※一部店舗ではお取り扱いがない場合がございます。
※お酒は20歳になってから。
泡盛コーヒーBLACK300シリーズ

ブラックコーヒーと泡盛をブレンドした、2010年発売のロングセラー。12度の飲みやすい度数で、1本購入につき1円が首里城復興支援に寄付されます。
パイン泡盛、さんぴん茶泡盛、シークヮーサー泡盛もおすすめ!
<商品情報>
販売価格:
パイン泡盛300:390円(税込)
さんぴん茶泡盛300カップ:333円(税込)
シークヮーサー泡盛300:386円(税込)
泡盛コーヒーBLACK300:360円(税込)
※一部店舗ではお取り扱いがない場合がございます。
※お酒は20歳になってから。
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まとめ
今回は、泡盛の600年の歴史から、その楽しみ方、そして小桜発祥の「Aボール」が商品化されるまでの舞台裏まで、たっぷりと伺いました!
古くは「もてなしの酒」として、琉球の芸能や料理とともに磨かれてきた泡盛。それが今、炭酸で割って気軽に楽しめる「Aボール」として、コンビニの棚に並びます。
このお店が醸し出す71年の味と、600年の歴史がある泡盛。現代風にアレンジされた一杯を、ぜひ沖縄ファミリーマートで手に取ってみてください!
そして今回のインタビューの様子は
【沖縄ファミリーマート公式YouTubeチャンネル「ファミンチュTV」】でご紹介中!
ぜひチェックしてみてくださいね!
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